でかい月だな

でかい月だな (集英社文庫)

でかい月だな (集英社文庫)

 ある月の夜友人にいきなり蹴り飛ばされ死にかけて、それから生活が一変してしまう男の子の話。

 不思議な話でした。すごくよかった。
 死ななかったけど、もう得意だったバスケはできないしどこか全てに違和感を覚えながら過ごしていく主人公と、錬金術師みたいな中川くんのやり取りが本当によかった。まいちゃんはかわいい。
 私はお話のなかでも「死ね!」っていうキャラが実のところとても苦手なのですがかごめは……かごめは可愛かったくやしい。最初は眉をひそめたくなる気分なのですが、読み進めていくうちに何この可愛い子は! と思うとても不思議なキャラでした。
 そして綾瀬。事件後の彼との再会のお話を読んで、ああやっぱり元の通りには戻らないのだなと少し悲しくも思った。当たり前なのですが。事件前の、あの海のやり取りを読んで余計にそう思う。
 続きが読みたいっていう気持ちもあるのだけど、彼らの他愛ないやり取りをもっといっぱい読みたいような本でした。