スロウハイツの神様

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

漫画家や画家を目指している男女が共同生活を送りつつ成長していく話。
面白かった。

上巻では、みんなの背景が描かれていて、穏やかそうでいながらも何故か緊張感を感じます。仲が良く見えるのに、何かが壊れてしまいそうな感じ。
で、下巻で上巻に張り巡らされた伏線がばーっと回収されていくのですがそれがすごい。本当に何かがひとつ解明されていくごとにうわあと声を上げてぐるぐるしてしまう。顔もにやけるよ。
十代の少年少女に圧倒的な人気を誇り、一度は事件のせいで小説を書けなくなったコウちゃん。
母の事件も仕事にしてしまう、強いようでいて脆いところもある環。
ふたりとも本当にすごい。コウちゃんは本当に格好いい。

あとこれを読んでいて思ったのは、登場人物が嘘をついていないとは限らないんだよねということ。当たり前なんだけど、読んでいて「え、そうなの!?」ってなることがしばしば。漫画家志望の狩野は、ほんとに、さらっとしていてそういう感じには見えないのにもう。
そして拝島さんはいいひとだったなと。